「補助金・助成金」の申請書を作ろう!

補助金・助成金を獲得するための申請書作成

会社設立時に、「補助金や助成金を受給したいが、申請書類を書き上げる自信がない」という方のために、申請書を書く際のポイントをまとめました。今回は補助金申請を想定して大まかな作成手順を説明します。あくまで一般論となりますが、ご参照ください。

補助金の申請

 

「一目で分かる内容」にする!

補助金の審査員は、数十、数百もの申請書類を見るわけですから、「一目見て分かる内容」でなければ、自社の魅力は伝わりません。

「目に止まる」「すぐに分かる」という点を意識しながら作成します。「フローチャート」「イメージ図」「対比表」などを使うのも有効です。

また申請書類の中で、「新規性」、「実現性」、「事業効果」、「必要経費」と「対象経費」などは、審査結果を左右する重要項目です。それぞれのポイントをご紹介しておきます。

まず「新規性」では、競合他社の製品やサービスなどと比較し、違いや新しさを説明します。
「実現性」の項目では「達成目標」を記入しますが、この「達成目標」に到達できなければ「事業失敗」とみなされ、助成金が受給できなくなる可能性もあります。よく考えて決めましょう。また、「従業員や外注先などの選び方が適正か」や「事業スケジュール」もチェックされますので、説得力のある内容にしましょう。
「事業効果」の項目には「売上などの収支計画」などの欄がありますが、こちらには達成義務がありません。

会社設立後、将来的に売上が伸びていくビジョンを描き、記入しましょう。また、消費者へのメリットには、具体性が必要です。ぼんやりとした内容はやはりNGです。

「必要経費」では「助成対象経費+補助対象外経費」を合計して書きます。申請書に記載した金額が公的補助金の予算となります。採択後に増額変更などはできないので、見積りには、余裕を持たせましょう。

なお、「必要経費」の中の「助成対象経費」には、「人件費」「原材料費」「専門家謝金」「外注費」などを書いていきますが、このうち「外注先の選定理由」は要注意。「以前からの知り合いだから」といった不明確な理由は御法度です。適正な外注先であることを、合理的に説明しましょう。

 

準備はとにかく早め早めに!

ものによっては、「募集告知から〆切までの期間が、わずか1ヶ月」など、応募期間が短い補助金や公的助成金も多々あります。こうした補助金を受給したい場合は、前回の申請書を見ながら、記入内容をある程度固めておかなくては間に合いません。

また、申請書そのものは書き終えたとしても、「登記簿謄本や納税証明書などの提出が必要」だったり、「申請前に、商工会議所や経営革新等支援機関などの確認や押印が必須」だったり、ということもあります。

「〆切直前に気づき、申請が間に合わなかった…」とか「必要な押印をもらえなかった…」ということがないよう、作業は早め早めに進めていきましょう。

 

面接は自力勝負!

書類審査をパスしたら、次は面接です。書類の作成までは、相談窓口の担当者や顧問契約を結んでいる税理士や行政書士などのアドバイスを受けられますが、面接は、こうしたコンサルタントは同席不可です。助成事業の詳細や自社の魅力を、申請者自身がしっかりとアピールできるようにしてしましょう。

また、見事、補助金、助成金の採択者に選ばれたら、1週間程度後に「事務取扱説明会」などが開かれます。ここでは、助成事業の完了報告時に必要な書類や伝票についての説明があり、これらを決まりどおりに提出しないと、助成金の減額や取り消しになることもあります。

経理担当者などと共に必ず出席し、メモを取り、不明点は担当者に質問するなどして、事業完了後に困らないようにしておきましょう。

 

「補助金受給のため」なら、書類整理も「仕事の一部」と考えよう

対象事業開始後は「見積書、契約書、伝票などの書類」の適切な作成、管理が必須となります。

手間が増えることになりますが、税や雇用保険料が投入されているのですから、当然と言えば当然です。「仕事の一部」と割り切って、しっかり行います。

具体的には、「取引先に伝票を発行してもらう場合」を例にとってみます。

「今ままでは、同じ支払日のものは、全て同じ伝票に記載してもらっていた」場合でも、補助事業開始後は、「『助成対象となる分の伝票』と『助成対象とならない分の伝票』は別々に発行してもらう」ことになります。取引先の協力が不可欠ですので、予めきちんとお願いしておきましょう。

また、「原材料」や「機械設備」については、納品時や設置時に、その都度写真を撮影し、「証拠写真」を残します。この他、「人件費」も、「出勤簿」「賃金台帳」「担当者それぞれの日報」など、数種類の資料で証明しなくてはなりません。後回しにせず、しっかりと作成、管理しましょう。